2018年11月15日

復代理人は本人の代理人である

本人から代理権を与えられた代理人は、自ら代理権を行使するのが原則であるが、自らができない場合は、更に他の人に代理することもできる。
これを復代理という。
代理人によって選任された者のことを復代理人というが、この復代理人は、代理人の代理人ではない。と言うことを押さえよう。
本人から直接代理権を与えられた代理人は、本人の代理人であることは言うまでもない。
復代理人もまた、本人の代理人である。と解されている。
民法の条文にも次のように定められている。

(復代理人の権限等)
第百六条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
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代理行為をする場合委任状は必要なのか

代理人に代理権を付与する場合としては、委任契約を締結したうえで、委任状を交付するのが一般的であろう。
しかし、委任状の交付は、代理行為を有効なものにするための要件とはなっていないことを確認しておこう。
代理行為の要件として民法が定めているのは次の条文の規定だけである。

(代理行為の要件及び効果)
第九十九条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

一読してわかる通り、委任状の有無については全く触れていないのである。
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2018年11月14日

代理行為の瑕疵

代理行為は、代理人が行った意思表示である。
よって、意思表示の不存在や、詐欺、強迫によって意思表示してしまった場合や善意、悪意、過失などの事情は、原則として、代理人にそれがあったかどうかによって、判断することになる。
民法にも次のように定められている。

(代理行為の瑕疵)
第百一条 代理人が相手方に対してした意思表示の効力が意思の不存在、錯誤、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。
3 特定の法律行為をすることを委託された代理人がその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。


例外は、3項にあるように、本人が、特定の法律行為をすることを代理人に委託した場合である。
次のような場合に3項が利用されることになる。

例えば、AとBの間で、土地の売買契約を締結することで同意したとする。その後、実際の契約締結実務は、それぞれの代理人CとDを選任して行ったとする。
ところが、AとBの間でその土地の売買は、架空の売買ーー通謀虚偽表示であることで一致していた。
この場合、代理人CとDが、通謀虚偽表示であることについて、善意だったとしても、AとBは、そのことを主張することは許されないということである。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 21:44| 権利関係

代理人の能力

代理人は、どの程度の能力を有していればよいのだろうか。
まず、意思能力を有していなければ、法律行為は無効となるので、当然のことながら、代理人は意思能力を有しているものでなければならないことになる。

では、行為能力はどうだろうか?
例えば、未成年者を代理人にとして選任した場合、選任した本人は、代理人が未成年者だったことを理由に取り消していいのだろうか。
これについては、民法に規定がある。

(代理人の行為能力)
第百二条 制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。ただし、制限行為能力者が他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為については、この限りでない。

制限行為能力者が代理人としてした行為は、行為能力の制限によっては取り消すことができない。とされている。
なぜなら、代理行為の効果は、代理人たる未成年者ではなく、選任した本人に帰属するわけで、未成年者を保護するための規定である未成年取消の制度を適用する必要がないからである。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 21:21| 権利関係

2018年11月12日

代理行為の形式

代理人が代理行為をする場合には、一定の形式に沿ってしなければならない。
具体的には、次のように定められている。

(代理行為の要件及び効果)
第九十九条 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
2 前項の規定は、第三者が代理人に対してした意思表示について準用する。

「本人のためにすることを示してした意思表示」でなければ、代理行為にならない。
これを代理の顕名主義と呼んでいる。

要するに、契約の相手方に、契約するのは目の前にいる私ではなく、私はあくまでも代理人であること。実際に契約するのは、本人でいることを示さなければならないということである。
もしも、これを怠った場合は、相手方としては、契約の当事者が本人だということがわからない。目の前にいる代理人が契約の当事者だと誤信するのが普通であろう。
そこで、次のような規定が置かれている。

(本人のためにすることを示さない意思表示)
第百条 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、前条第一項の規定を準用する。

原則として、代理人と相手方の契約として扱われることになるということである。
これは、相手方を保護するための規定であるから、相手方において、契約の当事者が代理人ではなく、本人だということを承知していれば、但し書きにあるとおり、本人に対して直接にその効力を生ずる。ことになる。


posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:54| 権利関係