2019年04月03日

請負人の契約不適合責任

請負人の契約不適合責任については、売買契約における契約不適合責任の規定が準用される。
請負契約が有償契約だからである。
次の条文の通り。

民法
(有償契約への準用)
第五百五十九条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。


つまり、引き渡された請負契約の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、注文者は、請負人に対して、次の責任を追及することができる。

1、追完請求……目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求

2、代金減額請求……注文者が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、注文者は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

3、損害賠償請求
4、解除権の行使


次の条文が準用されることを確認しておこう。

民法
(買主の追完請求権)
第五百六十二条 引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2 前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。
(買主の代金減額請求権)
第五百六十三条 前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。
一 履行の追完が不能であるとき。
二 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。
四 前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
3 第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。
(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
第五百六十四条 前二条の規定は、第四百十五条の規定による損害賠償の請求並びに第五百四十一条及び第五百四十二条の規定による解除権の行使を妨げない。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:02| 権利関係

2019年04月02日

宅建士試験過去問 権利関係 担保責任 1−15 平成11年

AからBが建物を買い受ける契約を締結した場合(売主の担保責任についての特約はない。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。




1、この建物がCの所有でCにはAB間の契約締結時からこれを他に売却する意思がなく、AがBにその所有権を移転することができない場合でもAB間の契約は有効に成立する。

2、Aが、この建物がAの所有に属しないことを知らず、それを取得してBに移転できない場合は、BがAの所有に属しないことを知っていた時でも、Aは、Bの受けた損害を賠償しなければ、AB間の契約を解除することができない。

3、AがDに設定していた抵当権の実行を免れるため、BがDに対しAの抵当債務を弁済した場合で、BがAB間の契約締結時に、抵当権の存在を知っていた時、BはAに対し、損害の賠償請求はできないが、弁済額の償還請求はできる。

4、Bがこの建物の引渡し後、建物の柱の数本にしろありによる被害があることを発見した場合は、AがAB間の契約締結時にこのことを知っていた時でないと、Bは、Aに損害賠償の請求をすることはできない。







建太郎「むむっ……。これは選択肢を一つ一つチェックしないといけないから、時間を食われる問題だな」

胡桃「そうかしら?どの選択肢も条文レベルだから、合格レベルに達している人なら、三十秒もかからず、正答を見つけられるわ。まず、この問題が何を問う問題かは分かるわね?」

建太郎「売主の担保責任についての総合的な問題だよね。欠陥住宅に関するいわゆる瑕疵担保責任だけでなく、権利の瑕疵に関する担保責任も含んでいる」

胡桃「そうね。まず選択肢1から見ていくわよ」
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posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 21:54| 宅建士試験過去問

注文者が受ける利益の割合に応じた報酬

請負契約では、原則として仕事を完成させなければ、請負人は報酬をもらえないことになっている。
しかし、これでは、請負人が不当に不利益を被りかねない。
そこで、一定の場合は、仕事が完成していなくても、注文者が受ける利益の割合に応じた報酬を受け取れることになっている。
次のような場合である。

一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。

条文は次のとおりなので確認しておこう。


民法
(注文者が受ける利益の割合に応じた報酬)
第六百三十四条 次に掲げる場合において、請負人が既にした仕事の結果のうち可分な部分の給付によって注文者が利益を受けるときは、その部分を仕事の完成とみなす。この場合において、請負人は、注文者が受ける利益の割合に応じて報酬を請求することができる。
一 注文者の責めに帰することができない事由によって仕事を完成することができなくなったとき。
二 請負が仕事の完成前に解除されたとき。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:07| 権利関係

2019年04月01日

宅建士試験過去問 権利関係 担保責任 1−14 平成14年

AがBに建物を売却し、代金受領と引き換えに、建物を引き渡した後に、Bがこの建物に隠れた瑕疵があることを発見したが、売主の瑕疵担保責任についての特約はない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち、誤っているものはどれか。




1、Bは、この瑕疵がAの責めに帰すべき事由により生じたものであることを証明した場合に限り、この瑕疵に基づき、行使できる権利を主張できる。

2、Bは、この売買契約を解除できない場合でも、この瑕疵により受けた損害につき、Aに対し賠償請求できる。

3、Bが、Aに対し、この瑕疵に基づき行使できる権利は、Bが瑕疵を知った時から、一年以内に行使しなければならない。

4、Bは、この瑕疵があるために、この売買契約を締結した目的を達することができない場合に限り、この売買契約を解除できる。







胡桃「これは簡単だわね。正答を見つけるのに十秒もかからないわ」

建太郎「うん。わかる。条文レベルの出題だよね」

胡桃「まず、この問題が何を問う問題かは分かるわね?」

建太郎「売買契約の売主の瑕疵担保責任だよね」
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posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:34| 宅建士試験過去問

2019年03月30日

ジュリスト 2019年 04 月号

ジュリスト 2019年 04 月号

様々な場面で問題視され,ついに立法化に動き出したパワハラ。ただ,必要とされる「指導」との境界はあいまいで,指導者にとっては悩みの種です。今号の特集では,企業,スポーツ,教育という異なる場面からパワハラに光を当てるとともに,組織論の視点からも分析を加えます。現場の視点からの座談会と各論文もリンクしているので,是非ご一読下さい。
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特集 パワハラ予防の課題
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◇パワーハラスメントとは――労働法の見地から/原 昌登
◇スポーツ界のハラスメント問題――人間関係と団体のガバナンスにみる日米比較/川井圭司
◇学校現場におけるパワーハラスメント――子ども法の視点から「教育」を問い直す/横田光平
◇パワーハラスメントとは――組織論の見地から/太田 肇

新法の要点
地理的表示(GI)制度をめぐる現状と課題/今村哲也

新連載
相続と法実務(1)/安部将規
連載にあたって/窪田充見・増田勝久

連載
新時代の弁護士倫理(4)/加藤新太郎・大川康平・太田秀哉
知的財産法とビジネスの種(18)/高瀬亜富

最高裁大法廷時の判例
最大判平成30・12・19/日置朋弘




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