2018年10月16日

被補助人とは

成年被後見人や被保佐人ほどではないにしても、判断能力が不十分な人は、家庭裁判所に請求することで、補助開始の審判を受けることができる。
次の条文の通り。

(補助開始の審判)
第十五条 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人又は検察官の請求により、補助開始の審判をすることができる。ただし、第七条又は第十一条本文に規定する原因がある者については、この限りでない。
2 本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。

なお、補助開始の審判の申し立てをすることができる者については、成年被後見人の場合とほぼ同じであるが、本人以外の者の申し立てによる場合は、本人の同意を得なければならないとされている。この定めが置かれているのは、補助開始の審判だけである。

そして、補助開始の審判がなされると、本人は被補助人となり、補助人が付されることになる。

(被補助人及び補助人)
第十六条 補助開始の審判を受けた者は、被補助人とし、これに補助人を付する。

補助人の権限については、同意権と代理権の双方を有する場合と、同意権のみ、代理権のみ有する場合がある。
第十五条3項に「補助開始の審判は、第十七条第一項の審判又は第八百七十六条の九第一項の審判とともにしなければならない。」とあるとおり。

(補助人の同意を要する旨の審判等)
第十七条 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第十三条第一項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

(補助人に代理権を付与する旨の審判)
第八百七十六条の九 家庭裁判所は、第十五条第一項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 第八百七十六条の四第二項及び第三項の規定は、前項の審判について準用する。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 22:16| 権利関係

2018年10月18日

制限行為能力者の行為の効力

制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人)が、法定代理人等の同意を得ないで、単独で法律行為を行った場合、その行為は取り消しうるものとなる。

例えば、未成年者が親権者の同意なしに、売買契約を締結した場合は、その売買契約は取り消しうるものになるということである。

(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

ここで注意したいのは、取り消すことができると意味である。

取り消すことができるのであって、自動的に取り消されるわけではなく、未成年者や親権者が取り消すまでは、契約は有効だということである。

つまり、未成年者が締結した契約の効力を維持したいと思うならば、取り消す必要はないということである。

このことからして、成年被後見人が単独で契約したとしても、その契約は取り消しうるものに過ぎないわけで、全くの無効ではないということを押さえよう。

(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 23:24| 権利関係

2018年10月20日

制限行為能力者が法律行為をした場合の取消権

制限行為能力者が法律行為をした場合は、取り消しうるものとなる。
では、誰が取り消すことができるのか?
これについては、民法に規定がある。

(取消権者)
第百二十条 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵ある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

第百二十条1項にあるとおり、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。とされている。

ここで押さえておきたいことは、制限行為能力者と取引した相手方には、取消権がないという点である。


では、取り消されると、どうなるか?

民法には、次のように定められている。

(取消しの効果)
第百二十一条 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。ただし、制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。

要点は次の三点である。

1、取り消されると、その行為は、はじめにさかのぼって無効となる。つまり、際し夜から契約していなかったことになる。これを遡及効という。

2、契約していなかったということは、契約当事者はお互いに受け取ったものを返還しなければならないことになるが、制限能力者側は、全部を返還する必要はなく、「現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。」にとどまる。

例えば、制限行為能力者が、1000万円を受け取った後で、200万円を浪費したとすれば、800万円を返還すれば足りることになる。
ここで注意したいのは、返還しなくていいのは、浪費した場合であって、200万円を生活費として出費した場合は、1000万円を返還しなければならないということである。
生活費は、その契約によって1000万円を受け取ったか否かにかかわらず、出費していたはずだからである。

3、制限行為能力者がする取り消しは、善意の第三者に対しても対抗できる。

例えば、制限行為能力者が、土地を売った後で、買主が第三者に転売したとしても、その第三者に対して、土地を返すように求めることができる。
この際、第三者が、買主の取引相手が、制限行為能力者だったと知らなかった。善意だったとしても、制限能力者側としては、無条件で土地の返還を求めることができるということである。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 16:32| 権利関係