2018年10月09日

成年被後見人の能力

成年被後見人の財産上の行為は、原則として、取り消しうるものとされている。
次の条文のとおりである。

民法
(成年被後見人の法律行為)
第九条 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。

例外が、但し書きにある通り、『日用品の購入その他日常生活に関する行為』である。
そのほかの法律行為は、原則として取り消しうるものとなる。

なお、未成年者の場合は、その法定代理人の同意を得れば、有効に法律行為をすることができたが、成年被後見人の場合は、成年後見人の同意を得たとしても、原則として、有効に法律行為をすることができない。
仮に成年後見人の同意を得たと称していても、取り消しうるものになると解されている。

すると、成年被後見人が財産を有していたとしても、それを処分することが全くできなくなるのかというとそうではない。
成年被後見人の財産上の行為は、成年後見人が代理して行うこととされている。
次の条文のとおり。

(財産の管理及び代表)
第八百五十九条 後見人は、被後見人の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為について被後見人を代表する。
2 第八百二十四条ただし書の規定は、前項の場合について準用する。

条文上は代表するとなっているが、これは、代理と同様の意味であると考えてよい。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:38| 権利関係

2018年10月11日

被保佐人とは

精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者で、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者を言う。
被保佐人を保護する者を保佐人といい、家庭裁判所によって選任される。

(保佐開始の審判)
第十一条 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
(被保佐人及び保佐人)
第十二条 保佐開始の審判を受けた者は、被保佐人とし、これに保佐人を付する。

被保佐人は、成年被後見人よりは、能力が高いとされており、一定の重要な行為を行う場合のみ、保佐人の同意を必要とするとされている。
一定の重要な行為とは次のとおりである。

(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


不動産の売買契約をする場合は、いかなる場合でも、保佐人の同意を要することになり、一方、不動産の賃貸借の場合は、短期賃貸借に該当する場合以外だと、保佐人の同意を要することになる。
なお、短期賃貸借に該当する場合とは次のとおりである。


(短期賃貸借)
第六百二条 処分につき行為能力の制限を受けた者又は処分の権限を有しない者が賃貸借をする場合には、次の各号に掲げる賃貸借は、それぞれ当該各号に定める期間を超えることができない。
一 樹木の栽植又は伐採を目的とする山林の賃貸借 十年
二 前号に掲げる賃貸借以外の土地の賃貸借 五年
三 建物の賃貸借 三年
四 動産の賃貸借 六箇月

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 23:29| 権利関係

2018年10月15日

保佐人の代理権

保佐人は、被保佐人が一定の行為をすることについての同意権のみを有し、代理権がないのが原則である。

民法
(保佐人の同意を要する行為等)
第十三条 被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
一 元本を領収し、又は利用すること。
二 借財又は保証をすること。
三 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
四 訴訟行為をすること。
五 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
六 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
七 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
八 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
九 第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。
十 前各号に掲げる行為を制限行為能力者(未成年者、成年被後見人、被保佐人及び第十七条第一項の審判を受けた被補助人をいう。以下同じ。)の法定代理人としてすること。
2 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
3 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。


しかし、家庭裁判所の審判を受けることによって、代理権を付与されることもある。
次の条文のとおりである。


(保佐人に代理権を付与する旨の審判)
第八百七十六条の四 家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求によって、被保佐人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 家庭裁判所は、第一項に規定する者の請求によって、同項の審判の全部又は一部を取り消すことができる。


posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 22:42| 権利関係