2018年10月02日

制限行為能力者 未成年者

制限行為能力者として、民法には、次の四者が定められている。

1、未成年者
2、成年被後見人
3、被保佐人
4、被補助人

である。

まず、未成年者とは、成年に達していないもののことである。

現行の民法では次のように定められている。

(成年)
第四条 年齢二十歳をもって、成年とする。

よって、年齢二十歳に達していなければ、未成年とされるわけだが、年齢二十歳に達していない者でも、成年として扱われることがある。

成年擬制の制度である。

民法では、婚姻年齢について次の規定をおいている。

(婚姻適齢)
第七百三十一条 男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。

逆に言えば、年齢二十歳に達していなくても、婚姻することができるということである。
そして、未成年者が婚姻した場合は、次のように扱われる。

(婚姻による成年擬制)
第七百五十三条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

これによって、例えば、十八歳の男女が婚姻した場合は、成年に達したものとして扱われることになる。
つまり、親の同意を得ずとも有効に法律行為ができるようになるということである。

では、十八歳の男女が一旦婚姻したものの、すぐに離婚してしまった場合はどうか?
再び制限能力者に戻るのだろうか?
この点については、一旦婚姻して成年擬制を受けた以上、離婚したとしても制限能力者には戻らないとされている。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 22:58| 権利関係

2018年10月03日

制限行為能力者 未成年者の行為能力

原則として、未成年者は、法定代理人の同意がなければ有効に法律行為ができない。
あるいは法定代理人が代理して、法律行為を行う。

法定代理人とは、親権者、後見人のいずれかである。

法定代理人が関与せずに、未成年者が単独で行った法律行為は、取り消すことができるとされている。

条文を確認しておこう。

民法
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。


なお、未成年者といえども、単独で法律行為を行うことができる場合もある。

第五条にある通り、

1、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為
例えば、単純贈与を受けること、債務免除を受けること、などである。
注意したいのは、債務の弁済を受けることは、債権が消滅することになるため、単独ではできないということである。

2、法定代理人が処分を許した財産を処分するとき
例えば、おこづかいを使うことなどがあげられる。

さらに、第六条にも次のように定められている。

(未成年者の営業の許可)
第六条 一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。
2 前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

つまり、営業を許された場合の営業上の行為は、未成年者と言えども有効にすることができるということである。

以上の三つを押さえておこう。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:32| 権利関係

2018年10月04日

成年被後見人とは

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるため、家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者のことである。
次の条文を確認しておこう。

(後見開始の審判)
第七条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、後見開始の審判をすることができる。

この審判は申し立てがなければなされない。
精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況になれば、自動的に、審判がなされるわけではない。

また、申し立てできる者も限られていることを押さえておこう。
『本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人又は検察官』である。
契約の相手方などの利害関係人などは含まれていないことを押さえておこう。

そして、成年被後見人を保護する者のことを成年後見人というが、家庭裁判所によって選任される。

成年後見人は、複数人でもよく、法人を選任することもできるということを押さえておこう。

※参考条文

(成年被後見人及び成年後見人)
第八条 後見開始の審判を受けた者は、成年被後見人とし、これに成年後見人を付する。

(成年後見人の選任)
第八百四十三条 家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で、成年後見人を選任する。
2 成年後見人が欠けたときは、家庭裁判所は、成年被後見人若しくはその親族その他の利害関係人の請求により又は職権で、成年後見人を選任する。
3 成年後見人が選任されている場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは成年後見人の請求により又は職権で、更に成年後見人を選任することができる。
4 成年後見人を選任するには、成年被後見人の心身の状態並びに生活及び財産の状況、成年後見人となる者の職業及び経歴並びに成年被後見人との利害関係の有無(成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と成年被後見人との利害関係の有無)、成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。

(成年後見人が数人ある場合の権限の行使等)
第八百五十九条の二 成年後見人が数人あるときは、家庭裁判所は、職権で、数人の成年後見人が、共同して又は事務を分掌して、その権限を行使すべきことを定めることができる。
2 家庭裁判所は、職権で、前項の規定による定めを取り消すことができる。
3 成年後見人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 20:16| 権利関係