2020年07月13日

宅建士試験過去問 権利関係 借地権 2−48 平成23年

借地借家法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。



1、建物の用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更その他の事情の変更により、現に借地権を設定するにおいては、その借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき、当事者間に協議が調わない時は、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。

2、賃貸借契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて残存すべき建物を新たに築造することにつき、やむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しない時は、借地権設定者が土地の賃貸借の解約の申し入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

3、借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得しても、借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しない時は、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

4、第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売により取得して場合において、その第三者が賃借権を取得しても、借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しない時は、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。







建太郎「ちょっと待て!この問題の選択肢って、どれも条文そのままの出題だろ?全部正しいように見えるんだけど?」

胡桃「条文をよく読んでいないと、間違いには気づかないかもしれないわね」

建太郎「まるで間違い探しのクイズじゃないか!しかも、問題文がやたらと長いし」

胡桃「条文を読み込んでいれば、正答はすぐに見つかるわよ」

胡桃「この問題は、どの条文からの出題か分かるわね?」

建太郎「借地条件の変更に関する条文だよな」

胡桃「そうよ。この問題を解く時のポイントは、申立てをするのが誰なのかを確認することね。まずは、1から」

建太郎「1は第十七条からの出題か」



(借地条件の変更及び増改築の許可)

第十七条  建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。

2  増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。

3  裁判所は、前二項の裁判をする場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。

4  裁判所は、前三項の裁判をするには、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情を考慮しなければならない。

5  転借地権が設定されている場合において、必要があるときは、裁判所は、転借地権者の申立てにより、転借地権とともに借地権につき第一項から第三項までの裁判をすることができる。

6  裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項から第三項まで又は前項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。



建太郎「1項の条文そのままの出題なんだな」

胡桃「そうよ。解説するまでもないわね。2はどうかしら?」

建太郎「第十八条だな」



(借地契約の更新後の建物の再築の許可)

第十八条  契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、延長すべき借地権の期間として第七条第一項の規定による期間と異なる期間を定め、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。

2  裁判所は、前項の裁判をするには、建物の状況、建物の滅失があった場合には滅失に至った事情、借地に関する従前の経過、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。)が土地の使用を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。

3  前条第五項及び第六項の規定は、第一項の裁判をする場合に準用する。



胡桃「そうね。3はどうかしら?」

建太郎「第十九条だな。条文を順番に掲載しているだけなんだな」



(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)

第十九条  借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。

2  裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。

3  第一項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。

4  前項の申立ては、第一項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。

5  第三項の裁判があった後は、第一項又は第三項の申立ては、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることができない。

6  裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項又は第三項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。

7  前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。



建太郎「申立てをするのは、第三者じゃなくて、借地権者なんだな」

胡桃「そうよ。借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾していないということは、まだ第三者に賃借権が移転、あるいは転貸の効力が生じていないわけよね。この時点で、第三者が出てくるのはおかしいと気づくべきよ。条文を暗記していなかったとしても、正誤の判断はできるはずだわ」

建太郎「なるほど、そう考えるのか」

胡桃「4はどうかしら?」

建太郎「第二十条だね」



(建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可)

第二十条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。

2  前条第二項から第六項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。

3  第一項の申立ては、建物の代金を支払った後二月以内に限り、することができる。

4  民事調停法 (昭和二十六年法律第二百二十二号)第十九条 の規定は、同条 に規定する期間内に第一項 の申立てをした場合に準用する。

5  前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第二項において準用する前条第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。



胡桃「条文そのままの出題だわね。というわけで答えは?」

建太郎「3なんだな」




宅建士試験の合否は過去問以外の問題をどれだけ解いたかで決まる!


□ 過去問だけでは合格できない

宅建士試験では、過去問を制覇すれば、本試験でも6割の得点は固いでしょう。
しかし、宅建士試験に合格するためには、最低でも7割以上の得点が必要で、確実に合格したければ、8割は得点できるようにしたいところです。
過去問だけでは補いきれない1割から2割については、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けること、テキストを繰り返し読むことによって、カバーできます。

しかし、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けるのは、費用が掛かりますし、本試験間際になってから、駆け足で開催されることが多く、普段からじっくり勉強できないですよね。
テキストを繰り返し読むことでも、過去問の穴を埋めることもできますが、やはり、テキストを読んでいるだけ(インプット)だけでは、完璧ではなく、実際に問題を解く(アウトプット)ことも必須です。

最近の試験では、単に暗記していれば解ける問題は少なく、暗記した条文、判例をもとに事例問題を解く形の出題が増えています。
公式を覚えるだけでなく、問題演習が必須の数学に似ているといえます。

すると、どれだけたくさんの問題を解いたかによって宅建士試験の合否が決まるといっても過言ではありません。

そして、過去問は、受験生なら誰でも解いています。
そこから一歩抜け出て合格をつかむためには、過去問以外の問題をどれだけ解いたかが、ポイントになるのです。




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□ 本シリーズの特長

過去問よりも少しレベルが高めの問題を掲載しています。

すべての問題に詳細な解説を付して、何を覚えるべきなのか、注目すべきポイントを明確に示しています。

解説をしっかりお読みいただくことによって、過去問+αのαの知識を総整理することができます。

さらに、肢別形式になっていることも特長です。
スマホ等で隙間時間にチェックするのに最適な文章量なので、暗記カード的にご利用いただくこともできます。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 19:14| 宅建士試験過去問