2020年02月13日

宅建士試験過去問 権利関係 債権譲渡 2−25 平成28年

AがBに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば正しいものはどれか。

1、AのBに対する債権に譲渡禁止の特約があり、Cがその特約の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Cからさらに債権の譲渡を受けた転得者Dがその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、BはDに対して特約の存在を対抗することができる。
2、AがBに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合には、Bが異議を留めない承諾をしても、BはCに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。
3、AのBに対する債権に譲渡禁止の特約がなく、Cに譲渡された時点では、まだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより、当該債権が特定されていた時は、特段の事情がない限り、AからCへの債権譲渡は有効である。
4、Aに対し、弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、異議を留めない承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Bは、Cから支払い請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。



胡桃「これも条文レベルの簡単な問題だわ。分かるわよね?」
建太郎「ああ。債権譲渡に関する問題だな」
胡桃「まず、債権譲渡に関する条文からチェックしておくわよ」

(債権の譲渡性)
第四百六十六条  債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2  前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。

胡桃「条文の意味は分かるわね?」
建太郎「債権は譲渡することができるけど、当事者が譲渡禁止特約をすることもできる。ただ、その特約を善意の第三者に対抗することはできないわけだな」
胡桃「そうよ。それを踏まえた上で、1は、どう考えるべきかしら?」
建太郎「債権の直接の譲受人であるCは、悪意だから、BはCに対して、対抗することができるのは当然だよな。それに対してCからの転得者Dは、善意だから、Dには対抗できないんじゃないかな。つまり、善意の第三者というのは、転得者が善意であった場合も含むんじゃないかな」
胡桃「その通りよ。判例も、悪意の譲受人からの転得者が善意であれば、債務者は、転得者に対して債権譲渡禁止特約の存在を対抗できないとしているわ。次、2はどうかしら?」
建太郎「債権譲渡の対抗要件の問題だよな」

(指名債権の譲渡の対抗要件)
第四百六十七条  指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2  前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。

建太郎「債権譲渡は、譲渡人が債務者に通知するか、債務者が承諾しなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。とされている」

(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第四百六十八条  債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2  譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。

建太郎「債務者が債権譲渡を承諾する際に、異議をとどめないで承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない」
胡桃「そうね。指名債権の譲渡の対抗要件は、譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾のいずれかでよいということね。通知と承諾がどちらもなされなければならないわけではないということよ」
建太郎「OK」
胡桃「3はどうかしら?」
建太郎「うーん。これはよく分からないけど、とりあえず、問題ないんじゃないかな?」
胡桃「これは判例そのままの出題よ。将来発生する債権でも債権譲渡をすることができるのよ。その債権が、将来発生する可能性が高いかどうかは問題にならないとしているのわ。ただ、公序良俗に反するような特段の事情がある時は、債権譲渡の効力が否定されることもあり得るとされている」
建太郎「へえ。じゃあ、譲り受けた債権が、発生しそうもない債権だったとしても、原則として債権譲渡は有効になるんだ?」
胡桃「そうよ。後は、どんな契約を結ぼうと当事者の自由なのよ。契約自由の原則よ」
建太郎「なるほどな。自己責任というわけだ」
胡桃「4はどうかしら?」
建太郎「第四百六十八条2項そのままの出題だよな。譲渡人からの通知だけで、債務者が何らの反応もしていない場合は、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる」
胡桃「そうね。Cからして見れば、不意打ちを食らうようなものかもしれないけど、選択肢のような事例では、BはCに対して相殺を主張できてしまうのよね。というわけで答えはどれかしら?」
建太郎「3だね」




宅建士試験の合否は過去問以外の問題をどれだけ解いたかで決まる!


□ 過去問だけでは合格できない

宅建士試験では、過去問を制覇すれば、本試験でも6割の得点は固いでしょう。
しかし、宅建士試験に合格するためには、最低でも7割以上の得点が必要で、確実に合格したければ、8割は得点できるようにしたいところです。
過去問だけでは補いきれない1割から2割については、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けること、テキストを繰り返し読むことによって、カバーできます。

しかし、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けるのは、費用が掛かりますし、本試験間際になってから、駆け足で開催されることが多く、普段からじっくり勉強できないですよね。
テキストを繰り返し読むことでも、過去問の穴を埋めることもできますが、やはり、テキストを読んでいるだけ(インプット)だけでは、完璧ではなく、実際に問題を解く(アウトプット)ことも必須です。

最近の試験では、単に暗記していれば解ける問題は少なく、暗記した条文、判例をもとに事例問題を解く形の出題が増えています。
公式を覚えるだけでなく、問題演習が必須の数学に似ているといえます。

すると、どれだけたくさんの問題を解いたかによって宅建士試験の合否が決まるといっても過言ではありません。

そして、過去問は、受験生なら誰でも解いています。
そこから一歩抜け出て合格をつかむためには、過去問以外の問題をどれだけ解いたかが、ポイントになるのです。




宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 1 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 2 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 3 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係・法令上の制限編 4  暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 法令上の制限編 5  暗記カード式法律問題集


□ 本シリーズの特長

過去問よりも少しレベルが高めの問題を掲載しています。

すべての問題に詳細な解説を付して、何を覚えるべきなのか、注目すべきポイントを明確に示しています。

解説をしっかりお読みいただくことによって、過去問+αのαの知識を総整理することができます。

さらに、肢別形式になっていることも特長です。
スマホ等で隙間時間にチェックするのに最適な文章量なので、暗記カード的にご利用いただくこともできます。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 19:55| 宅建士試験過去問