2020年01月08日

宅建士試験過去問 権利関係 債権者代位権 2−22 平成22年

民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1、債務者が既に自ら権利を行使している時でも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく、債権者代位権を行使することができる場合がある。
2、未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保存登記手続きを行うことができる場合がある。
3、建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者)に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占有者に対して、当該建物を直接、自己に明渡すよう請求できる場合がある。
4、抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し、当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占有者に対しその不動産を直接自己に明渡すよう請求できる場合がある。



胡桃「これは簡単だわね?」
建太郎「宅建のテキストに載っている判例そのままの出題だよな」
胡桃「とりあえず、債権者代位権の基本から、見ていくわよ」(債権者代位権)
第四百二十三条  債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。
2  債権者は、その債権の期限が到来しない間は、裁判上の代位によらなければ、前項の権利を行使することができない。ただし、保存行為は、この限りでない。

胡桃「まず、債権者代位権を行使するためには、三つの要件があったわね。何か分かるかしら?」
建太郎「ええっと……。まずは、債務者に対する債権を保全する必要があることだよな。債務者の資力が乏しいような場合だよな」
胡桃「本来、債権を行使するかどうかは債権者の自由なわけで、それを第三者が行使しようというのだから、相当の理由が必要とされているのよ。厳密にいえば、債務者が無資力であることと、債権者の債権――被保全債権が金銭債権である場合に限るとされているわ。二つ目は?」
建太郎「条文にはないけど、債務者が自ら権利行使していないことが要件とされていたよな」
胡桃「そうね。三つ目は?」
建太郎「債権者の債権――被保全債権が履行期にあることだよな」
胡桃「その三つの要件を満たした場合に、債権者代位権を行使することができるとされているわ。そのことが理解できていれば、1の正誤は判断できるわね」
建太郎「OK」
胡桃「本来、債権者代位権は、金銭債権の場合に限定されているわけだけど、金銭債権以外の債権の事例でも転用されているのよ。選択肢2から4までが、転用事例を問う問題だというのは分かるわね」
建太郎「ああ。まず、2は、登記請求権だね。判例通りだよな」
胡桃「そうね。ちなみに、2のような事例では、債務者が無資力であることは求められるのかしら?」
建太郎「いや。無資力要件は求められないんじゃなかった?債務者の資力の有無にかかわらず、債権者代位権を行使することができる」
胡桃「そうよ。3はどうかしら?」
建太郎「これも転用事例。判例そのままだね」
胡桃「賃借人が直接、自己に明渡すよう請求できるという点を押さえておいてね。4はどうかしら?」
建太郎「これも転用事例だよな。判例そのままの出題になっている」
胡桃「そうね。抵当権者は、自ら使用収益するわけではないけど、それでも、直接自己に明渡すよう請求できるという点を押さえておいてね」
建太郎「OK」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「1だね」

宅建士試験の合否は過去問以外の問題をどれだけ解いたかで決まる!


□ 過去問だけでは合格できない

宅建士試験では、過去問を制覇すれば、本試験でも6割の得点は固いでしょう。
しかし、宅建士試験に合格するためには、最低でも7割以上の得点が必要で、確実に合格したければ、8割は得点できるようにしたいところです。
過去問だけでは補いきれない1割から2割については、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けること、テキストを繰り返し読むことによって、カバーできます。

しかし、資格スクールの模擬試験を片っ端から受けるのは、費用が掛かりますし、本試験間際になってから、駆け足で開催されることが多く、普段からじっくり勉強できないですよね。
テキストを繰り返し読むことでも、過去問の穴を埋めることもできますが、やはり、テキストを読んでいるだけ(インプット)だけでは、完璧ではなく、実際に問題を解く(アウトプット)ことも必須です。

最近の試験では、単に暗記していれば解ける問題は少なく、暗記した条文、判例をもとに事例問題を解く形の出題が増えています。
公式を覚えるだけでなく、問題演習が必須の数学に似ているといえます。

すると、どれだけたくさんの問題を解いたかによって宅建士試験の合否が決まるといっても過言ではありません。

そして、過去問は、受験生なら誰でも解いています。
そこから一歩抜け出て合格をつかむためには、過去問以外の問題をどれだけ解いたかが、ポイントになるのです。




宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 1 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 2 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係編 3 暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 権利関係・法令上の制限編 4  暗記カード式法律問題集

宅建士試験肢別100問ドリル オリジナル問題集 法令上の制限編 5  暗記カード式法律問題集


□ 本シリーズの特長

過去問よりも少しレベルが高めの問題を掲載しています。

すべての問題に詳細な解説を付して、何を覚えるべきなのか、注目すべきポイントを明確に示しています。

解説をしっかりお読みいただくことによって、過去問+αのαの知識を総整理することができます。

さらに、肢別形式になっていることも特長です。
スマホ等で隙間時間にチェックするのに最適な文章量なので、暗記カード的にご利用いただくこともできます。
posted by 宅建士試験ラノベ化プロジェクトチーム at 19:46| 宅建士試験過去問