2019年08月21日

宅建士試験過去問 権利関係 賃貸借 2−15 平成27年

AB間でAを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物について、(1)賃貸借契約を締結した場合と、(2)使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。




1、Bが死亡した場合、(1)では、契約は終了しないが、(2)では契約が終了する。

2、Bは、(1)では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出した時は、Aに対して、その償還を請求できるが、(2)では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。

3、AB間の契約は、(1)では諾成契約であり、(2)では要物契約である。

4、AはBに対して、甲建物の瑕疵について、(1)では担保責任を負う場合があるが、(2)では担保責任を負わない。










胡桃「これは簡単だわね」

建太郎「賃貸借契約と使用貸借契約の違いを問う問題だよな」

胡桃「条文を読んでいれば簡単に解ける問題だわ。まずは、賃貸借契約と使用貸借契約を再確認するわよ」
(賃貸借)

第六百一条  賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。




(使用貸借)

第五百九十三条  使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。




胡桃「まずは、賃貸借と使用貸借がどういう性質の契約なのか述べてくれるかしら?」

建太郎「ええっと……。賃貸借は、双務契約であり、有償契約であり、諾成契約である。それに対して、使用貸借は、片務契約であり、無償契約であり、要物契約である」

胡桃「どちらも、自分の物を貸す契約なのに、全く違うわね。この点が分かれば、選択肢3の正誤が判断できるわね」

建太郎「OK」

胡桃「1はどうかしら?」

建太郎「これも基本だね。使用貸借は、当事者の深い信頼関係に基づく契約だからこそ、無償で利用させている。借主が死亡したならば、当然、借りている物は返すべきだろうというわけだよな。それに対して、賃貸借の場合は、賃借人が死亡すると相続人が賃借人の地位を承継する」




(借主の死亡による使用貸借の終了)

第五百九十九条  使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。




(相続の一般的効力)

第八百九十六条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。




胡桃「そうね。使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。というのは有名な規定だわ。2はどうかしら?」

建太郎「使用貸借の場合、無料で利用しているんだから、必要費くらい自分で出せというわけか?」

胡桃「そうよ。民法に規定があるわ」




(借用物の費用の負担)

第五百九十五条  借主は、借用物の通常の必要費を負担する。

2  第五百八十三条第二項の規定は、前項の通常の必要費以外の費用について準用する。




※(買戻しの実行)

第五百八十三条  売主は、第五百八十条に規定する期間内に代金及び契約の費用を提供しなければ、買戻しをすることができない。

2  買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは、売主は、第百九十六条の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、有益費については、裁判所は、売主の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。




※(占有者による費用の償還請求)

第百九十六条  占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。

2  占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。




胡桃「それに対して、賃貸借の場合は、当然、賃貸人に必要費の償還を請求できる点はOKね」




(賃借人による費用の償還請求)

第六百八条  賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。

2  賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第百九十六条第二項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。




建太郎「ああ。OK。何度も見ている条文だからな」

胡桃「4はどうかしら?」

建太郎「賃貸人が瑕疵担保責任を負うのは当然だよな」




第三節 売買

(有償契約への準用)

第五百五十九条  この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。




胡桃「そうね。賃貸借は、有償契約だから、売買契約の規定を準用するわけね。当然、売主の瑕疵担保責任も含むわ。使用貸借の場合はどうかしら?」

建太郎「使用貸借では、原則として、瑕疵担保責任を負わないけど、貸主が、その瑕疵又は不存在を知りながら借主に告げなかったときは、この限りでない。ということだよな」




(貸主の担保責任)

第五百九十六条  第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。




(贈与者の担保責任)

第五百五十一条  贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。

2  負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。




胡桃「贈与の規定を準用しているわけね。というわけで、答えは?」

建太郎「4だね」



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