2019年07月30日

00084 宅建士試験過去問 権利関係 条件 #宅建 #過去問



★今日の過去問★

AはBとの間で、B所有の不動産を購入する売買契約を締結した。ただし、AがA所有の不動産を平成15年12月末日までに売却でき、その代金全額を受領することを停止条件とした。手付金の授受はなく、その他特段の合意もない。
1、平成15年12月末日以前でこの停止条件の成否未定の間は、契約の効力が生じていないので、Aは、売買契約を解約できる。
2、平成15年12月末日以前でこの停止条件の成否未定の間は、契約の効力が生じていないので、Bは、売買契約を解約できる。


胡桃「基本的な条文の知識を問う問題だわ。10秒で答えてね。よーいどん!」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒、経過。どうかしら?」

建太郎「むむっ……。これは……。1と2がほぼ同じ文言で並んでいるから、どっちかが答えなのかなって、考えてしまうよな」

胡桃「そうね。停止条件のことを理解していないと、惑わされてしまうかもしれないわね。でも、条文レベルの出題だから、正答を導き出すことは容易いわ。まず、停止条件って何かしら」

建太郎「設問みたいに、とりあえず、売買契約を成立させるけど、その効力を生じさせるのを、当事者が決めた条件が成就するまでに、先送りにすることだよね」

胡桃「そうね。停止条件付の契約で注意したいことは、契約自体は成立しているということね。ただ、その効力を生じさせるのを先送りしているにすぎないということよ」

建太郎「OK」

胡桃「ちなみに、解除条件ならどうかしら?」

建太郎「解除条件は、当事者が決めた条件が成就したら、契約の効力が消滅するというものだよね。例えば、『AがA所有の不動産を平成15年12月末日までに売却し、その代金全額を受領することができなかったら、売買契約を解除する』というような場合」

胡桃「そうね。解除条件の場合は、契約が成立していることはもちろん、効力も生じているということね」

(条件が成就した場合の効果)
第百二十七条  停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2  解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3  当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。

建太郎「OK」

胡桃「それを踏まえたうえで、1と2の選択肢を見るわよ。さあ、どう考えるべきかしら?」

建太郎「うーん。契約の効力は生じていないにしても、契約自体は成立している。ということは、当事者はその契約に拘束されるわけだから、勝手に解約することはできないと考えるべきじゃないかな?手付金の授受があれば、買主は手付金の放棄。売主は手付金の倍返しによって、契約解除できるけど、設問では、手付金のやり取りもないようだし」

胡桃「そうね。次の条文が根拠条文よ」

(条件の成否未定の間における相手方の利益の侵害の禁止)
第百二十八条  条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。

胡桃「ここで再確認しておきたいことは、売買契約の性質ね。『売買契約って何?』って問われたら、どう答えるかしら?」

建太郎「えっ?売買契約は売買契約だろう。売ります。買いますという契約」

胡桃「はあ……。建太郎ったら、民法の勉強をしている人が、素人丸出しの答え方をしてはだめでしょ!民法の条文を示してその性質を説明しなさいってことよ!」

建太郎「あっ、そうか!」

(売買)
第五百五十五条  売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

建太郎「つまり、実際の物のやり取りはしなくても、口約束だけで成立する『諾成契約』で、お互いに対価的意味を持つ債務を負担する『双務契約』であり、お互いに対価的意味を持つ給付を行う『有償契約』である」

胡桃「それを踏まえたうえで、第百二十八条を見るわよ。第百二十八条には、『相手方の利益を害することができない』とあるわ。売買契約において、利益を享受するのは誰かしら?」

建太郎「買主も売主も利益を享受するよね。つまり、買主は、土地を取得するという利益を得られるわけだし、売主は代金を受け取るという利益がある」

胡桃「そうよ。だから、売主も買主も相手方の利益を害することはできない。つまり、売主、買主の、どちらも理由なく契約を解除することができないということよ。分かったかしら?」

建太郎「OK」



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