2019年07月30日

宅建士試験過去問 権利関係 無権代理 2−9 平成18年 #宅建

AはBの代理人としてB所有の甲土地をCに売り渡す契約をCと締結した。しかし、Aは甲土地を売り渡す代理権は有していなかった。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。




1、BがCに対し、Aは甲土地の売却に関する代理人であると表示していた場合、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことをCが過失により知らなかった時は、BC間の本件売買契約は有効となる。

2、BがAに対し、甲土地に抵当権を設定する代理権を与えているが、Aの売買契約締結行為は、権限外の行為となる場合、甲土地を売り渡す具体的な代理権がAにあるとCが信ずるべき正当な理由がある時は、BC間の本件売買契約は有効となる。

3、Bが本件売買契約を追認しない間は、Cは、この契約を取り消すことができる。但し、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権がないことを知っていた場合は、取り消せない。

4、Bが本件売買契約を追認しない場合、AはCの選択に従い、Cに対して契約履行又は損害賠償の責任を負う。ただし、Cが契約の時において、Aに甲土地を売り渡す具体的な代理権はないことを知っていた場合は、責任を負わない。







建太郎「うわっ……。設定が細かくて、問題文を読むだけで時間を食われる厄介な問題だな」

胡桃「この程度で時間を食われると言っていたら、新傾向の問題には対応できないわよ。まず、何の問題か分かるわね?」

建太郎「表見代理と無権代理に関する問題だな」
胡桃「まず、表見代理とはどういう制度か分かるわね?」

建太郎「本来は無権代理であるけど、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときは、有効な代理行為として本人に効果を帰属させてしまおうという制度だよな」

胡桃「表見代理には三つあったわね?」

建太郎「代理権授与の表示による表見代理、権限外の行為の表見代理、代理権消滅後の表見代理だね」




(代理権授与の表示による表見代理)

第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。




(権限外の行為の表見代理)

第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。




(代理権消滅後の表見代理)

第百十二条  代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。




胡桃「それをふまえた上で、1から見ていくわよ」

建太郎「1は、代理権授与の表示による表見代理の事例だね。第三者Cは、代理権を与えられていないことを過失により知らなかったわけだから、表見代理は成立せず、契約は有効とならない」

胡桃「但書の条文、そのままの事例だわね。2はどうかしら?」

建太郎「権限外の行為の表見代理の事例だね。第三者Cには、Aに代理権があると信ずるべき正当な理由があるわけだから、表見代理が成立して、BC間の売買契約は有効になる」

胡桃「そうね。条文そのままの出題だわ。ちなみに、代理権があると信ずるべき正当な理由があるというのは、代理権があると信じたことについて過失がないことを意味しているという点を押さえておいてね。3はどうかしら?」

建太郎「無権代理の相手方の取消権の問題だよな」




(無権代理の相手方の取消権)

第百十五条  代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。




建太郎「無権代理の相手方――第三者Cには、取消権があり、本人が追認をしない間は、取消権を行使することができる。ただ、無権代理人に代理権がないことを知っていた場合は、取り消すことができないと」

胡桃「これも、条文、そのままの出題だわ。4はどうかしら?」

建太郎「無権代理の相手方は、無権代理人に対して契約の履行と損害賠償請求ができるんだよな」




(無権代理人の責任)

第百十七条  他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。

2  前項の規定は、他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、適用しない。




胡桃「本人が追認しなかった場合だということを押さえておいてね。それに、第三者Cが無権代理人に権限がないことを知っていた場合や過失によって知らなかった場合は、履行又は損害賠償の責任を追及することはできないわ。取消権の行使の場合との違いを比較しておいてね」

建太郎「取消権の行使の場合は第三者Cに過失があるかどうかは問わないんだよな」

胡桃「無権代理の相手方には、取消権と無権代理人に対する履行又は損害賠償責任の追及ができるという点を押さえておいてね。ちなみに、後もう一つ行使できる権利があったけど、何か分かるわね?」

建太郎「本人への催告権だね。追認するかどうか問い合わせることができる」




(無権代理の相手方の催告権)

第百十四条  前条の場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす。




胡桃「催告権は、第三者が善意であるか、過失がなかったかどうかは問わず行使できる。という点を押さえておいてね」

建太郎「OK」

胡桃「というわけで答えは?」

建太郎「1だね」




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