2019年07月23日

宅建士試験過去問 権利関係 代理 2−6 平成24年

代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。




1、未成年者が代理人となって締結した契約の効果は、当該行為を行うにつき、当該未成年者の法定代理人による同意がなければ、有効に本人に帰属しない。

2、法人について、即時取得の成否が問題となる場合、当該法人の代表機関が代理人によって、取引を行ったのであれば、即時取得の要件である善意無過失の有無は、当該代理人を基準にして判断される。

3、不動産の売買契約に関して、同一人物が売主及び買主の双方の代理人となった場合でも、売主及び買主の双方があらかじめ承諾しているときは、当該売買契約の効果は両当事者に有効に帰属する。

4、法定代理人は、やむを得ない事由がなくとも、復代理人を選任することができる。




胡桃「これも条文レベルの簡単な問題だわね」

建太郎「結局、条文と基本的な判例さえ押さえていれば、大抵の問題に対応できるんだな」

胡桃「そうよ。基本を押さえることが宅建合格の近道よ。まず、1からみていくわ」
建太郎「この選択肢は以前にも出題されているよな。代理人は行為能力者であることを要しないとされているから、未成年者でも代理人になれるんだよな」




(代理人の行為能力)

第百二条  代理人は、行為能力者であることを要しない。




建太郎「それから、代理人がした行為は本人に帰属するわけで、代理人である未成年者を保護しなければならない理由もないから、法定代理人の同意は必要ないわけだ」

胡桃「そうね。2はどうかしら?」

建太郎「これも条文だね。まず、即時取得の要件から」




(即時取得)

第百九十二条  取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。




建太郎「『善意であり、かつ、過失がない』かどうかについての事実の有無は、代理人が取引をするなら、代理人について、決するとされていたね。条文は……」




(代理行為の瑕疵)

第百一条  意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

2  特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。




胡桃「その通りだわ。3はどうかしら?」

建太郎「双方代理は原則として禁止されているけど、双方が納得しているなら問題ないんだよな」




(自己契約及び双方代理)

第百八条  同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。




胡桃「不動産登記申請は、売主、買主の双方が一人の司法書士に委任することが多いわけだけど、この規定に抵触しないのかしら?」

建太郎「不動産登記申請は、既に確定した権利関係を不動産登記簿に反映させる行為に過ぎないわけで、新たな利害関係を生じさせるものではないから、自己契約や双方代理も認められているという解釈じゃなかった?」

胡桃「そうね。テキストで再確認しておいてね。4はどうかしら?」

建太郎「復代理人を選任できるかどうかは、法定代理の場合と任意代理の場合とで違うという話だったね」




(任意代理人による復代理人の選任)

第百四条  委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。




(法定代理人による復代理人の選任)

第百六条  法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、前条第一項の責任のみを負う。




※(復代理人を選任した代理人の責任)

第百五条  代理人は、前条の規定により復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。

2  代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、前項の責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。




胡桃「そうね。任意代理人は、本人の信任に基づいて選任されるから、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。それに対して、法定代理人は、本人の信任によるものではないし、権限が広範だから、復代理人を選任する必要に迫られることが度々あるから、自己の責任で復代理人を選任することができるわけね」

建太郎「OK」

胡桃「というわけで答えはどれかしら?」

建太郎「1だね」



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