2019年07月08日

宅建士試験過去問 権利関係 行為能力 2−2 平成28年 #宅建

制限行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。




1、古着の仕入れ販売に関する営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有するので、法定代理人の同意を得ないで、自己が居住するために建物を第三者から購入したとしても、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができない。

2、被保佐人が不動産を売却する場合には、保佐人の同意が必要であるが、贈与の申し出を拒絶する場合には、保佐人の同意は不要である。

3、成年後見人が、成年被後見人に代わって、成年被後見人が居住している建物を売却する際、後見監督人がいる場合には、後見監督人の許可があれば足り、家庭裁判所の許可は不要である。

4、被補助人が、補助人の同意を得なければならない行為について、同意を得ていないにもかかわらず、詐術を用いて相手方に補助人の同意を得たと信じさせた時は、被補助人は、当該行為を取り消すことができない。







建太郎「むむっ。ちょっと難しくないか?」

胡桃「そうかしら?基本を押さえていれば解ける問題だわ。条文レベルの出題よ。まず、1から見ていくわよ」
建太郎「未成年者の行為は取り消すことができるのが原則だけど、未成年者の行為でも取り消すことができない場合もある。営業を許された場合もそうだよな」




(未成年者の営業の許可)

第六条  一種又は数種の営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有する。

2  前項の場合において、未成年者がその営業に堪えることができない事由があるときは、その法定代理人は、第四編(親族)の規定に従い、その許可を取り消し、又はこれを制限することができる。




胡桃「そうね。ここで注意したいことは、『営業を許された未成年者は、成年者と同一の行為能力を有する。』と、されているけど、それはあくまでも、『その営業に関して』に限定されているということね。営業とは無関係の行為については、依然として、取消うるということね」

建太郎「設問の場合は、自己が居住するために建物を購入することは、取り消しうるということだね」

胡桃「そうよ。次、2はどうかしら?」

建太郎「保佐人の同意が必要な行為は、民法に定められていたよな」




(保佐人の同意を要する行為等)

第十三条  被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

一  元本を領収し、又は利用すること。

二  借財又は保証をすること。

三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

四  訴訟行為をすること。

五  贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

六  相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

八  新築、改築、増築又は大修繕をすること。

九  第六百二条に定める期間を超える賃貸借をすること。

2  家庭裁判所は、第十一条本文に規定する者又は保佐人若しくは保佐監督人の請求により、被保佐人が前項各号に掲げる行為以外の行為をする場合であってもその保佐人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、第九条ただし書に規定する行為については、この限りでない。

3  保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可を与えることができる。

4  保佐人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。




建太郎「不動産の売却は、『三  不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。 』に該当するから、当然同意が必要になるけど、贈与の申し出を拒絶することも同意が必要なのか?」

胡桃「保佐人の同意を要する行為の趣旨は、被保佐人が不利益を被らないようにするためだというのは分かるわね」

建太郎「ああ。分かるよ」

胡桃「贈与の申込みを拒絶すれば、被保佐人が損するわけだから、当然、保佐人の同意を要するのよ。『七  贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。 』とあるでしょ」

建太郎「なるほど、そういうことか……」

胡桃「次、3はどうかしら?」

建太郎「これも条文に規定されているね」




(成年被後見人の居住用不動産の処分についての許可)

第八百五十九条の三  成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。




建太郎「成年後見監督人がいても、やはり、家庭裁判所の許可が必要なのか?」

胡桃「当然よ。成年後見監督人がいる場合はこの限りではないという規定はないでしょ。成年後見監督人の職務は、後見人の事務を監督することだけど……」




(後見監督人の職務)

第八百五十一条  後見監督人の職務は、次のとおりとする。

一  後見人の事務を監督すること。

二  後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。

三  急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。

四  後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。




胡桃「成年被後見人の居住用不動産の処分のような重要な行為は、成年後見監督人では役不足。家庭裁判所の関与が必要だということね。次、4はどうかしら?」

建太郎「条文にある通りだね」




(制限行為能力者の詐術)

第二十一条  制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができない。




建太郎「判例によれば、保護者の同意を得ていると信じさせるための詐術も第二十一条の詐術と同様に扱うとされていたね。だから、設問の場合、被補助人は、取消権を行使できない」

胡桃「というわけで、答えはどれかしら?」

建太郎「4だね」



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