2019年07月01日

00072 宅建士試験過去問 権利関係 無権代理 #宅建 #過去問



★今日の過去問★

B所有の土地をAがBの代理人として、Cとの間で売買契約を締結した。
AとBとが夫婦であり契約に関して何ら取り決めのない場合には、不動産売買はAB夫婦の日常の家事に関する法律行為の範囲内にないとCが考えていた場合も、本件売買契約は有効である。


胡桃「基本的な条文の知識を問う問題だわ。10秒で答えてね。よーいどん!」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒……

胡桃「10秒、経過。まず、これが何の問題なのか分かるわね?」

建太郎「ちょっと待て……、日常の家事ってなんだ?」

胡桃「常識で考えれば分かるでしょ。例えば、夫婦で仲良くショッピングに出かけて、夕食の食材を購入しようとしたけど、奥さんが財布を忘れたら誰がお金を払うの?」

建太郎「そりゃ、旦那さんが財布を持っていれば、旦那さんが払うべきじゃない」

胡桃「そうよ。それが、日常の家事よ。民法にはこうあるわ」

(日常の家事に関する債務の連帯責任)
第七百六十一条  夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。

胡桃「要するに、夕食の食材の購入みたいな、日常の家事は、夫婦が連帯責任を負うというわけよ。奥さんが金を払わなかったら、旦那さんが金を出すべきだというわけね。尤も、夫婦だからと言って、無限に連帯責任を負うわけじゃない。例えば、旦那さんが妻に無断で不動産を購入したとする。でも、その代金を支払えなかった場合、売主が、『奥さん、代わりに払ってくださいよ』と言うのはおかしいというのは分かるかしら?」

建太郎「額が大きいからね。不動産を買う時は、普通は夫婦で話し合うよな」

胡桃「そうよ。この場合は、日常の家事とは言えないから、第七百六十一条は適用されないわけね。まず、これを理解したうえで、この選択肢を見るわよ」

建太郎「この選択肢は、旦那さんが奥さんの土地を勝手に売ったという事例だよね。つまり、無権代理?」

胡桃「そうよ。土地を売ることは、一般的には、日常の家事とは言えないから無権代理だわね。尤も、夕食の食材の購入と同じ感覚で、不動産の売買をする夫婦もいないわけではない。誰だか分かるわね?」

建太郎「不動産王と呼ばれた、俺の伯父さん――宅本健一さんだね。健一伯父さんなら、日ごろから、奥さんと『君の名義のあの土地売っておいたから』『あらそう。好きにしていいわ』みたいな会話をしていてもおかしくない」

胡桃「そうよ。そこで問題になるのが、どこまでが日常の家事と言えるのかということなのよ。常識で考えればいいという問題じゃないのね。生活のレベルによって、日常の家事の範囲は違うのよ。私たちの感覚と宅本健一さんの感覚は、別次元だというのは分かるわね」

建太郎「そりゃそうだな」

胡桃「売買の相手としても、私たちが土地を売りにくれば、本当に代理権限があるのか疑うでしょうし、宅本健一さんが売りにくれば、何ら疑問を持たないで、売却に応じるわよね」

建太郎「うん。そうだろうな」

胡桃「日常の家事の範囲だと思ったけど、実際はそうじゃなかった場合、相手方としては何が主張できるかしら?」

建太郎「あっ。権限外の行為の表見代理か」

(権限外の行為の表見代理)
第百十条  前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

※前条(代理権授与の表示による表見代理)
第百九条  第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

胡桃「そうよ。尤も、判例は、日常の家事の代理権限を基礎として、権限外の行為の表見代理が成立するわけではないとしているわ。ただ、相手方が、その夫婦にとっては、不動産の売買が『日常の家事の範囲内だ』と信じるにつき、正当な理由がある場合は、『第百十条の趣旨を類推適用する』としているわ」

建太郎「つまり、普通の表見代理は、代理権限の範囲内かどうかで成否が決まるけど、日常の家事の場合は、日常の家事の範囲内かどうかよるというわけか」

胡桃「そうよ」



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