2019年06月21日

宅建士試験過去問 権利関係 物権変動 1−69 平成16年 #宅建

Aは、自己所有の建物をBに売却したが、Bは、まだ所有権移転登記を行っていない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち、誤っているものはどれか。




1、Cが何らの権限もなく、この建物を不法占拠している場合、Bは、Cに対し、この建物の所有権を対抗でき、明渡を請求できる。

2、Dが、Aからこの建物を賃借し、引き渡しを受けて、適法に占有している場合、Bは、Dに対し、この建物の所有権を対抗でき、賃貸人たる地位を主張できる。

3、この建物がAとEとの持分二分の一ずつの共有であり、Aが自己の持分をBに売却した場合、BはEに対し、この建物の持分の取得を対抗できない。

4、Aはこの建物をFから買い受け、FからAに対する所有権移転登記がまだ行われていない場合、BはFに対し、この建物の所有権を対抗できる。







胡桃「これは、対抗要件に関する問題。宅建をはじめとした不動産関係の資格試験では、もっとも重要な論点だわ」

建太郎「そうだろうけど、これって、全部判例からの出題なのか?」

胡桃「そうよ。いずれも重要な判例だから、問題文を読んだだけで、正誤を判断できるようにしたいものよ」
胡桃「まず、不動産の物権変動の対抗要件は何かしら?」

建太郎「登記だよね」




(不動産に関する物権の変動の対抗要件)

第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。




胡桃「そうね。ここで言う、『第三者』とは、どういう者を意味しているのかしら?」

建太郎「当事者やその包括承継人以外の者で、登記がないことを主張する正当な利益を有している者と説明されることがあるよね」

胡桃「そうね。宅建で出題されるは、基本的な判例だから、すべて暗記していてしかるべきだけども、もしも、未知の判例が出題されたとしたら、その第三者が登記がないことを主張する正当な利益を有しているかどうかを考えれば、正誤が判断できるわ」

建太郎「OK」

胡桃「というわけで、1から、見ていくわよ」

建太郎「まず、1は、基本的な判例だよな。不法占有者に対しては、登記なくして所有権を対抗できるとされている。だから、Bは、Cに対し、明け渡しを請求することができるわけだ」

胡桃「そうね。もしも、判例を知らなくても、不法占有者が登記がないことを主張する正当な利益を有しているとは言えないことは、常識で判断できるわね。次、2はどうかしら?」

建太郎「賃借人に、自分が新たな賃貸人であることを主張するには、登記を備えていなければならないというのが判例じゃなかった?」

胡桃「その通りよ。賃借人からすれば、真の賃貸人に賃料を支払わないと、二重払いを強いられることになりかねないわ。だから、登記を有していない人には、賃料を支払わないと拒むことができるわけね。次、3はどうかしら?」

建太郎「共有は……。どうなんだろう。共有物の持分は、所有権だから、自由に譲渡できるわけだよな。共有物の持分を売却するにあたって、他の共有者の承諾は不要だった」

胡桃「そうね。次の条文がその根拠ね」




(所有権の内容)

第二百六条  所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。




建太郎「だったら、他の共有者が口出しすることではないんじゃないの?」

胡桃「それでも、共有者は、不動産について持ち分に応じた利用ができることになっているのよ。つまり、その分、他の共有者の利用が制約されるということよ」




(共有物の使用)

第二百四十九条  各共有者は、共有物の全部について、その持分に応じた使用をすることができる。




胡桃「想像してみて、私と建太郎が共有している建物があったとする」

建太郎「うん。胡桃と同棲することは容易に想像できるよ」

胡桃「そこで、私が建太郎に無断で、持分を他の人に譲渡したとする。ある日突然、見知らぬ人が俺が新しい共有者だからよろしくと言って来たら、建太郎はどう思う?」

建太郎「ふざけるな!お前本当に共有者なのか!登記見せろ!」

胡桃「そう言いたくなるわよね。つまり、他の共有者は、登記がないことを主張する正当な利益を有しているのよ」

建太郎「ということは、3の選択肢は正しいわけだ」

胡桃「次、4はどうかしら?」

建太郎「これは、順次売買されたということだよね。Fは前所有者であって、第三者ではないということじゃないかな?早く登記をこっちに寄越せと請求できるでしょ」

胡桃「そうね。FとAの売買契約が解除されたり、取消される事態にならない限り、BはFに対し、登記なくして、所有権を対抗することができるわ。というわけで、答えはどれかしら?」

建太郎「2だね」




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