2019年04月10日

宅建士試験過去問 権利関係 贈与 1−19 平成3年

AのBに対する土地の贈与(何らの負担もないものとする。)に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。




1、その贈与が書面によらないものであっても、Bにその土地の所有権移転登記が為されたときは、Aは、その贈与を撤回することができない。

2、その贈与が書面によるものか否かを問わず、その土地に瑕疵があっても、Aは、そのことを知らなかったときは、Bに対して瑕疵の責任を負わない。

3、その贈与が書面による死因贈与であっても、Aは、後にその土地を第三者に遺贈することができる。

4、その贈与が書面による死因贈与であった時は、Aは、後に遺言によりその贈与を取り消すことはできない。










胡桃「この問題は簡単だわね。条文そのままの出題だわ」

建太郎「ああ。分かるよ。贈与について問う基本的な問題だよな」

胡桃「まず、贈与契約がどういう性質の契約か分かるわね?」

建太郎「贈与は……」

(贈与)

第五百四十九条  贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。




建太郎「つまり、無償契約であり、当事者の一方のみが債務を負う片務契約で、当事者の同意だけで成立する諾成契約である」

胡桃「そうね。口約束だけでも成立する諾成契約で、書面を取り交わす必要のない不要式契約だけども、書面による贈与か否かで、性質が変わったわよね」

建太郎「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができるんだよね」




(書面によらない贈与の撤回)

第五百五十条  書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。




胡桃「そうね。ただし、履行の終わった部分については撤回できないということね。それを踏まえたうえで、1はどうかしら?」

建太郎「不動産登記が為されたということは、履行が終わっているということだから、撤回できないね」

胡桃「一応、これは判例だから覚えておいてね。不動産の場合は、所有権移転登記があれば履行が完了したものとされているのよ。次、2はどうかしら?」

建太郎「これも条文そのまま。贈与は無償契約だから、担保責任も緩やかなんだよね」




(贈与者の担保責任)

第五百五十一条  贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。

2  負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。




胡桃「基本的に担保責任を負わないけど、瑕疵を知っていて告げなかったような場合は、責任を免れることはできない。という点ね。これは強行規定だということを覚えておいてね」

建太郎「書面によるかどうかは関係ないんだよね」

胡桃「そうよ。書面によるか否かの文言で引っ掛けようとしたのね。次、3はどうかしら」

建太郎「死因贈与の問題だよね。遺贈と同じように考えるべきなんじゃなかった?」




(死因贈与)

第五百五十四条  贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。




胡桃「そうよ。というわけで、遺言の規定を参照しなければならないということね。3の場合は何が問題になるか分かるわね」

建太郎「遺言の抵触だよね。つまり、遺言書に書かれたことと矛盾する法律行為を行った場合、どうするべきかの問題。民法の……」




(遺言の撤回)

第千二十二条  遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。




(前の遺言と後の遺言との抵触等)

第千二十三条  前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。

2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。




建太郎「つまり、遺言者は、いつでも、遺言を撤回することができるし、遺言に抵触する行為をすることもできる。遺言に抵触する行為をした場合は、その部分は撤回したものとみなされる」

胡桃「そうね。その遺言に関する規定が、死因贈与にも適用されるということね。それが分かれば、3と4の正誤は判断できるわね」

建太郎「OK」

胡桃「というわけで、誤っているものは、どれかしら?」

建太郎「4だね」




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