2019年04月03日

宅建士試験過去問 権利関係 担保責任 1−16 平成15年

AがBからB所有の土地付き中古建物を買い受けて引き渡しを受けたが、建物の主要な構造部分に欠陥があった。この場合、民法の規定及び判例によれば、、次の記述のうち正しいものはどれか。なお、瑕疵担保責任(以下、この問において「担保責任」という。)については、特約はない。




1、Aが、この欠陥の存在を知って契約を締結した場合、Aは、Bの担保責任を追及して、契約を解除することはできないが、この場合の建物の欠陥は、重大な瑕疵なのでBに対して担保責任に基づき、損害賠償請求を行うことができる。

2、Aが、この欠陥の存在を知らないまま、契約を締結した場合、Bの担保責任を追及して、契約解除を行うことができるのは、欠陥が存在するために、契約を行った目的を達成することができない場合に限られる。

3、Aが、この欠陥の存在を知らないまま、契約を締結した場合、契約締結から一年以内に担保責任の追及を行わなければ、Aは、Bに対して、担保責任を追及することができなくなる。

4、AB間の売買契約が宅地建物取引業者Cの媒介により契約締結に至ったものである場合、Bに対して、担保責任を追及できるのであれば、Aは、Cに対しても担保責任を追及することかできる。







建太郎「むむっ……。これは混乱するなあ。さりげなく、宅建業法を絡めたような選択肢もあるし……」

胡桃「それでも、条文をストレートに問う問題だから、確実に得点したい問題だわ。まず、この問題が、何を問うているのかは分かるわね?」

建太郎「もちろん、瑕疵担保責任について問う問題だというのは分かるよ」
(売主の瑕疵担保責任)

第五百七十条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。




(地上権等がある場合等における売主の担保責任)

第五百六十六条  売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

2  前項の規定は、売買の目的である不動産のために存すると称した地役権が存しなかった場合及びその不動産について登記をした賃貸借があった場合について準用する。

3  前二項の場合において、契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。




胡桃「何度も繰り返し述べていることだけども、重要なことだから、再確認するわよ。瑕疵担保責任はどういう場合に追及できるの?」

建太郎「買主が善意・無過失の場合だよね。善意というのは、第五百六十六条の条文――『買主がこれを知らず』――と、書かれている通り。第五百六十六条では無過失は要求されていないけど、第五百七十条に記されている隠れた瑕疵というのは、『通常人の注意を以てしても発見できない瑕疵』だから、買主が売買契約時に、注意を怠っていないことが前提になる。だから、無過失を要求されるということ」

胡桃「そうね。それに対して、売主はどうなのかしら?」

建太郎「売主は瑕疵の存在を知らなくても、担保責任を免れることはできない。つまり、無過失責任だということ」

胡桃「それが分かれば、1の正誤は判断できるわね?」

建太郎「買主Aは、欠陥の存在を知って契約を締結している――つまり、悪意なわけだから、瑕疵担保責任を追及することはそもそも不可能だよね」

胡桃「そうね。基本が理解できていれば、重大な瑕疵なので云々という幻惑に引きずられることはないわよね。次、2はどうかしら?」

建太郎「第五百六十六条の条文そのままの出題だよね。『買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。』要するに、ほんのわずかな欠陥なのに、契約解除だと騒ぐモンスタークレーマーは、無視していいということだ」

胡桃「そうね。3はどうかしら?」

建太郎「これは、以前、胡桃が注意してくれたよね。契約の解除又は損害賠償の請求は、『買主が事実を知った時から一年以内』にしなければならない。要するに瑕疵を発見した時からであって、契約締結時からではない。尤も、契約締結から十年を経過すれば、債権の消滅時効にかかるという話だった」

胡桃「そうね。こういう引っ掛け問題がしょっちゅう出てくるから、問題文を読むときは、キーワードになる部分を鉛筆で囲ったりして、確認することが肝要ね。4はどうかしら?」

建太郎「むむっ……。宅地建物取引業者Cは媒介業者であって、売主でも代理人でもないよね。だから、売主の担保責任を負わされるというのはおかしいんじゃないかな?」

胡桃「そうよ。建売住宅みたいに、宅地建物取引業者Cが自ら売主となるような場合は、Cが、売主の担保責任を負うわけだけど、仲介業者にすぎない場合は、その必要はないわね。というわけで、答えはどれか分かるかしら?」

建太郎「2だね」



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