2019年03月10日

#宅建士試験過去問 権利関係 意思表示 1−5 平成16年

A所有の土地につき、AとBとの間で売買契約を締結し、Bが当該土地につき第三者との間で売買契約を締結していない場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば正しいものはどれか。




1、Aの売り渡し申込の意志は真意ではなく、BもAの意思が真意ではないことを知っていた場合、AとBとの意思は合致しているので、売買契約は有効である。

2、Aが、強制執行を免れるために、実際には売り渡す意思はないのに、Bと通謀して売買契約を締結したかのように装った場合、売買契約は無効である。

3、AがCの詐欺によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの詐欺をBが知っているか否かにかかわらず、Aは売買契約を取り消すことはできない。

4、AがCの強迫によってBとの間で売買契約を締結した場合、Cの強迫をBが知らなければ、Aは売買契約を取り消すことができない。










胡桃「今回の問題は簡単だわね」

建太郎「うん。条文をストレートに問う問題だよね」

胡桃「解説も必要ないくらいだけど、とりあえず、一つ一つ検討していくわよ」

建太郎「まず、1はAの売り渡し申込の意志が真意ではない。A本人もそのことを自覚して意思表示をした場合は、有効なんだけども、相手方も真意ではないことを知っていた場合は、無効だという話だよね。というわけで、心裡留保の問題」




(心裡留保)

第九十三条  意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方が表意者の真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。




胡桃「条文が頭に入っていれば、一読しただけで正誤が判断できるわね。次に2は?」

建太郎「これは虚偽表示の典型的な例だよね。条文通りとしか言いようがない」




(虚偽表示)

第九十四条  相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。

2  前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。




胡桃「虚偽表示の出題では、善意の第三者に対抗できないという点が問われることが多いのに、1項をそのまま問う出題は珍しいわね。簡単すぎてあっけないわ。3はどうかしら?」

建太郎「これは詐欺の問題だね。第三者が詐欺をした場合、表意者はその意思表示を取り消せるかという問題だけど、やはり、条文通りの出題」




(詐欺又は強迫)

第九十六条  詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。




胡桃「そうね。解説の必要もないわね。そして、4は、強迫の場合はどうかという問題。これも条文を見れば分かるわ」

建太郎「強迫の場合は、如何なる場合でも取り消すことができるということだよね。以前に胡桃が教えてくれたように、未成年取消と同等の効力があって、善意の第三者に対しても、取り消しを主張することができると」

胡桃「そうよ。第九十六条は詐欺と強迫がセットで記載されているから分かりにくいけど、2項と3項に書かれていることは、詐欺の場合だけの話だということに留意してね。というわけで、正解はどれかしら?」

建太郎「2だね」



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